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西沢森林軌道 京の沢支線 完結編(3)

訪問日 2013/11/03 同行者:モリリさん、ギルさん                      

いくつかの堰堤で寸断されたりしていたものの、その堰堤を越えた先には素晴らしい掘割やS字カーブといった、京の沢支線の最大の見どころが待っていた。
プレ廃探で到達した地点はとっくに過ぎ、未知の領域へと入っている。
これから先がいよいよクライマックス。
まだまだ見どころが待っていた。

西沢森林軌道 最深部地図



キャプションに「写真x」とあるものは、下記の地図で撮影場所がわかります。








写真1
S字の2つ目のカーブを
下流方向に向かって撮影。
かなりのRで回り込んでいる。










堰堤を越えていこう。










京の沢第2号コンクリート堰堤。。









越えたところで地面から突き出すレール。
ここも堰堤工事で見るも無残な光景に。









しかし、すぐに軌道敷きが復活。
この先はかなり状態が良さそうだ。








ん?
レールが押しやられている。
それにあまりにも平らなのが不自然。
これはブル道っぽいな・・・。








左端をのたうつレール。
うーん、この先に軌道跡はないのだろうか・・・
あれ?モリリさんの視線が右に向いてる。
ブル道は左なのに。









上の写真をアップにしてみると・・・
なんかレールは右にカーブしてるような。








写真2
おおっと、また掘割になってカーブしてるぞ。









レールは右ヘアピンカーブで、オレンジ色のモリリさんが立ってるところまで行っている。














写真3
掘割の中を進んでいく。















振返って撮影。









今度は左にカーブしている。
ここもS字で高低差を克服して登っている。
















2つ目のカーブの先は埋もれていた。
















うーん、この辺りもブル道にされてしまったのだろうか?









そしてまた堰堤を越える。
山梨県の渓流は堰堤だらけでひどいもんだ。
人っ子一人住んでない所に、これほど多くの堰堤が必要なのだろうか。










堰堤上には外されたレールが転がる。









ちょっと先に平らな部分が・・・
ブル道か軌道跡か?










これは!
飯場跡っぽいぞ。









碍子があった。










再び敷かれているレールが復活。




































写真5
うおっ! ポイントだ!









ポイントがあるということは、この辺りで切り出した木を積み込んでいたのだろう。
ということは終点なのか?









辺りをくまなく探す。
どんな小さな遺構も見逃すな。









ん? これは?
調べてみたが堰堤の石積みっぽかった。










所々から顔を出すレール。







トタンやワイヤーロープが散乱している。
ここは平らじゃないから小屋は別のところにあったのだろう。
当時の現場を見てみたいものだ。
現役当時の写真、どこかに残っていないのだろうか。










堰堤手前にあった最後のレール。









ひょっとしたら対岸に何かあるかもと
渡渉してみた。
すると取り外されたものだろうか、
レールを発見!
もしかしたら、対岸に渡っていたのか?








写真6
平地に敷かれたようになっている
レールもあるが、置かれただけの
感じもする。
その先には束ねたワーヤーロープが打ち捨てられていた。







もうこの先は軌道跡らしきものは見つけられなかった。
なぜ右岸にレールが落ちているのかは謎だが、沢を渡っている橋の痕跡はなかった。
もっとも何十年もの間には、度重なる大水に襲われているだろうから、京の沢に架けられた橋などは簡単に流されているだろう。








そしてまた堰堤が立ちふさがる。
今まで堰堤の度に軌道が破壊されていた。
ひょっとしたらこの上にもあるかもしれない。
そんな期待を抱いて、我々はまたまた堰堤を越えてみた。








今まで何基もの堰堤で寸断された軌道。堰堤を越えると再び我々の前に蘇ってきた。
しかし、希望は潰えた。この堰堤上にレールを見つけることはできなかった。









堰堤の上流で最後に見つけたのは、
このワイヤーロープだけ。
残念ながらレールは見当たらず。







写真7
3人の目で隈なく探し回ってみたが、もうそこにはレールは無かった・・・。
どうやらさっきの堰堤下が、京の沢支線の終点だったようだ。
何度もの調査によって、ついに京の沢支線の全貌を明らかにできた。
京の沢支線は下流部の西沢軌道本線と同じく、ヘアピンカーブで高度を稼ぐという特徴を持っていた。
スイッチバック方式を取るのが一般的だが、馬力という特殊性がこのような軌道を敷かせたのだと思う。
馬は機関車のようにバックはできないからなのだろう。
それにしてもよくこんな山奥まで軌道を敷いたものだ。
その場に立って目を閉じると、カーブの先から木材を満載したトロッコが、ガタゴト音を立てて走ってくるような気がした。

何十年も前、この山奥で生活し木材を切り出していた人たちは、今はどうしているのだろう。
もう半世紀近く前に廃止になった西沢森林軌道。その現場で働いていた人は、まだ存命のはず。
会って話を聞いてみたいと思うのは、私だけではないだろう。

さて、終点を確かめたからには戻らなくてはならない。
再び軌道跡を辿って出発点に帰ればいいだけだ。
だが、帰りがけに我々はさらに驚く物を発見してしまった・・・。

次はいよいよ最終回。そしてアザミ沢支線や本谷支線の様子も少しだけ紹介する。

 
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