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西武鉄道 安比奈線 (4) 訪問日 2008/08/31 同行者:大師匠、ギルさん カメラ:Nikon D70・Panasonic FX01 池部用水橋梁を命からがら(笑)突破した我々は、いよいよラストスパートを掛けて、終点の安比奈へと進んだ。 はたして安比奈駅構内はどういう状況になっているのだろうか。 |
安比奈線 路線図 クリックで別窓拡大 | |
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40年の歳月のうちに軌道敷は自然に飲み込まれつつあった。 レイルの傍らに根付いた木は、40年をかけて大木へと成長し、レイルをも持ち上げようとしていた。 |
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この先はかなり自然に還っているようだが・・・。 |
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木々の先に何やら壁のようなものが見えてきた。 |
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H地点 南大塚の駅から続いてきた線路敷が突然コンクリートの建造物によって断絶された。 これは八瀬大橋への道路である。 安比奈線は休止となっているが、ここをなんとかしなくては復活の道は無い。 さて、線路はまだ先へと続いているが、ここをどうにか迂回しなくては進めない。 我々は壁伝いに右へと回り込んだ。 するとすぐに道路の下を潜り抜けられる。が、そこには住民が何人か生活しているので、彼らの生活を乱さないように配慮したい。 |
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さて、八瀬大橋への道を過ぎると、再びレイルは復活する。 しかし、ご覧のような状況だ。 正面に見える葛に絡みつかれたものは木ではない。なんと架線柱である。 |
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グリーンモンスター出現! これはなんだ?! 横に張り出している支柱によって、かろうじてこれが架線柱の成れの果てと分かるが・・・。 |
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先にまた何か見えてきた。 水道橋のようである。 レイルはまだ続いているが、夏草に覆われて全く見えない。 |
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土に埋もれてご覧のとおりである。 |
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ここはかろうじてレイルが見えている。 木々が生い茂り、長いこと使われていないのが分かる。 自然というのは不思議なもので、このように木々の陰になっているところには下草は少ない。 しかし、太陽の光を遮るものがない場所では、あっというまに草ボーボーだ。 |
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まるで枕木の代わりのようになった木の根。 |
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こんなふうにとんでもないことになっている。 植物の生命力には本当に感心させられる。 |
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T地点 水道橋のすぐ下まで来た。 この先は今までに無いほどのヤブになっているようだ。 |
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転がされた転轍機の標識。 ポイントを切替えると、こいつの先についた矢羽のようなものが回って、ポイントが切り替わっていることを表示するのだ。 起こそうと試みるが、ロッドが繋がっているようで、起こせなかった。 ポイントの標識があるということは・・・ |
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やはり複数のレイルが敷かれている。 そう、ここはもう安比奈駅の構内なのだ。 |
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なぜなのかは分からないが、ポイントによって線路が分岐したとたんに、猛烈な竹ヤブがはびこっている。 南大塚駅からここまでの間で、最も自然還元度の高い地点である。 かろうじて踏み跡程度の道が続いているので、さらに進んでみる。 |
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こ、これは・・・。 複線をまたぐ架線柱のようだが、もう何だか分からない状態になっている。 架線柱があることで、この下がかつて線路であったのだろうと想像することができた。 |
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さらに奥へと進むと、そこにも架線柱の亡霊が空に向かって立っていた。 そこは人間の侵入を全く許さない、鉄壁の要塞のようであった。 我々は、これ以上の前進を諦めた。 この先にも遺構が存在するはずだが、この状態では見つけるのは至難の業だ。 広々としていたであろう安比奈駅構内は、今では遥か昔の時間の闇へと葬り去られた。そこに存在するのは架線柱の亡霊たちだけだ。 この先はもう道は無い。 南大塚駅から辿ってきた安比奈線の終点なのだ。 |
かつての安比奈駅の跡に王国を築きあげたのは太古の昔から生存競争に打ち勝ってきた植物たちであった。 彼らが勢力を弱める唯一の季節=真冬に来れば、また違った景色をみることができるであろう。 40年もの昔から、そのままの状態で残された安比奈線。変貌著しい首都圏にあって、これは一つの奇跡である。 いつの日かこの線に列車が走ることがあるかもしれない。そのときは、また訪れてみたいものである。 |
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