HOME

入川森林軌道(深部軌道・上部軌道) 別名:東京大学演習林軌道 <2>  

 .2.7(完結)

訪問日 2008/05/04 同行者:ギルさん、モーちゃん   徒歩      カメラ:Nikon D70

林道との分岐点に辿りついた我々は、そこを左に進み森林軌道の雰囲気が色濃く残る軌道跡に踏み込んだ。
ここから先は登山道としてしか利用されていないので、現役当時の風景が残っている。
私は過去3度ほど訪れていが、ギルさんらは初めてである。
林道ではレールや枕木はすでに撤去されてしまったが、ここから先には未だに残っているのだ。他にも石垣や桟橋、切通しなど見所が沢山ある。
さてこの先、どんな風景が待っているのだろうか。

まず現在地点を把握していただこう。
入川渓流観光釣り場のゲートから1kmほど来ただろうか。道は森林軌道跡の特徴であるゆるやかな上り坂。歩きはそれほど苦にはならない。
しかし、全行程にするとまだ7分の1程度である。
ここから軌道跡を辿り、まずは赤沢谷の出合を目指した。
分岐点よりすぐの場所。
軌道跡より斜面を降りてみた。
モーちゃんが小さく写っているが、その足元はすべて石垣が積まれている。
この後もいたるところに石垣が見られた。
崖下に転がされた枕木
碍子発見!

こいつはネット初公開かも。
下調べにずいぶんとサイトを見て回ったが、見たことが無い。
通信用の線が張ってあったのか、または電気が行っていたのか。

長い時を経て木が成長し、碍子を取り込んでしまった。
碍子アップ
凄いことになっている。
よく見ると、その上にもぶら下がっていた。
思わぬ発見に気を良くした我々は、下ばかりでなく上にも気を配るよう心がけた。

と、今度は下にレールの残骸を発見!
そして、ついに枕木が現れた。
その先に見える橋は残念なことに2006年に鉄の橋に架け替えられてしまった。
以前(2001年)に訪れたときは、まだ木橋だったのだが・・・。
去年(2007年夏)、息子と歩いて橋が新しくなっていたのを知ったときはガッカリしたものである。
どうやらこの軌道跡を遊歩道として整備しようという計画らしい。

数十年前そのままの姿で残る枕木。
山側の岩は荒々しく削られている。
この辺りに軌道が敷かれたのは1936年であるから、現在のような重機を使わない工事はさぞ大変だっただろう。
ついにレールが出現!
JR等の大型の鉄道に比べると、ほんとうに頼りないくらいの細さである。
軌道跡はところどころ崩れてレールを押し流していた。
有名な交換所跡。
ここで上りと下りの列車交換が行われた。
谷側はもう石垣ギリギリだ!
ここから先はかなりの部分でレールが残っている。
廃線跡はやはり、こうでないと。
振りかえって撮影。
軌道は谷に沿ってクネクネと曲がりながら続いていく。
その両側はほとんどが石垣が積まれ補強されたいた。
桟橋。
軌道の幅に比べて随分と丸太が長いのだが・・・。
ゆるやかにカーブを描く軌道。
新緑に萌える木々が美しい。
橋を渡って振りかえる。
ずっと軽トラの轍が続いているのだが、山仕事か東大関係者か?
橋は全てこのタイプの鉄製のものになっていた。
これが木橋だったらなぁ・・・。
片洞門!
巨大な岩を一部くりぬいて軌道を通したことが良くわかる。
現在だったらこの岩を丸ごと吹き飛ばしていることだろう。
ちなみに入川森林軌道にはトンネルはひとつもない。
お次は切通しもどき!
じつに好ましい風景だ。
軌道はどんどん奥へと進んでいく。
これは電柱だったようだ。
何箇所かで見かけることができた。
小さな木橋。
このぐらいの規模の橋は架け替えられていない。
また切通しもどきがあった。
ずっと谷にそって敷かれているので、両側をスパっと切った切通しはひとつもない。
左側の岩は、ほんのすこしだけ残されている。
いかにも森林軌道といった感じのS字カーブ。
小さな小さな機関車を先頭に、木材を満載した台車を引いて下ってくる列車を見てみたかった。
800mと記された杭。
距離標だろうか?
そうだとするとどこから800m?
森林鉄道時代のものには間違いないのだが。
振りかえって撮影。
またまた切通しだ。
今度のは比較的大きい。
そして、片洞門&切通し。
次々に現れる遺構が我々を飽きさせない。
前を行くギルさん。
赤沢谷出合に一歩一歩近づく3人。

次はいよいよ赤沢谷へ!
 HOME  次へ  .2.7(完結)
inserted by FC2 system